SDGsの取り組み：陸域生態系の保護及び生物多様性の損失阻止！具体的には？
森林は、地球の陸地面積の30％以上を占め、約40億ヘクタールあります。そして毎年、1300万ヘクタールの森林が失われていることで様々な問題が起こっています。様々な問題の一つに、生物多様性のバランス崩壊があります。今回は、陸域生態系の保護と生物多様性の損失を阻止するための方法を具体的に解説していきます。
生物多様性とは
地球上の生物は約40億年という長い歴史の中で、様々な環境に適応・進化しながら3000万種もの多様な生き物が生まれているとされます。地球上で現在確認されているだけでも約175万種の生物が生息しています。生物は皆、個性があり、すべてが直接・間接的に支え合って生きています。多様性には。生態系・種・遺伝子の3つの多様性があり、共存しています。
【生態系の多様性】
森林、山地、河川、湿原、干潟、サンゴ礁等の生物の暮らす環境が多様に存在することを指します。
【種（種間）の多様性】
動物、植物、菌類、バクテリアに至るまで、様々な生き物が存在し、気候などの環境条件や生き物同士による多種多様な生物が育まれることを指します。
【遺伝子（種内）の多様性】
同じ種でも、地域によって個体の形や模様、生態が異なる遺伝子レベルでの違いがあることを指します。遺伝子の多様性は、環境に対する適応力や種の分化といった生物の進化に関わるもので、多様性の低下は、そのまま絶滅の危険性が高まることに繋がります。
生物多様性がもたらすもの
生物の多様性が私たちの生活にどのような恵みを与えてくれているのでしょうか。一番分かりやすい恵みは、酸素です。学校で習ったこともある、植物の光合成による酸素の生成により、私たちは地球上で生きていけます。また、植物の光合成は二酸化炭素を吸収してくれています。
これにより、気温や温度の調節に役立ち、野菜やお米は植物の品種を改良して生まれ、魚のような水産物は海から得ることが出来ます。生物の多様性が生活に与える恵みを4つの生態系サービスに分類されます。
【供給サービス】
供給サービスには、野菜などの農業生態系や魚などの海洋生態系による食料を供給するサービス、水の循環・供給・調整・浄化に関するサービス、燃料・木材・綿などの原材料を供給するサービスといった私たちに何かを供給してくれるサービスです。
【調整サービス】
大気汚染や騒音の緩和・都市部のヒートアイランド現象の緩和といった調整サービス、地球の表面温度を維持するサービス、生命や健康に大きな影響を及ぼす自然災害緩和のサービスといった環境を調整するサービスです。
【生息・生育地サービス】
様々な生態系を利用する移動性の生物に、生息・生育環境を提供して、ライフサイクルを維持するサービス、自然淘汰によって特定の環境に適応する種の遺伝的多様性を保全していくサービス。
【文化的サービス】
人間が自然に触れることで得られるサービスで、自然環境を生活に取り入れることで、満足度が高まったり、ストレスの軽減に繋がります。また、環境を通じた利益になる活動もこのサービスに含まれます。
陸域生態系の保護及び生物多様性の損失の阻止
陸域生態系の保護及び生物多様性の損失を阻止するための世界的な取り組みがSDGsの目標に定められています。陸域生態系はすべてが相互に支え合っているため、森林の減少を食い止めることで、その地域の生態系の保全に繋がり、多様性が維持されます。生物の種が集中しすぎている場合、これを分散していくことで、種の存続に繋がります。生物多様性の損失を阻止するためには、森林減少緩和のためのエコに取り組むことや生物の研究と適応環境の構築などの取り組みを世界規模で行っていくことが重要です。そしてこれらを行うためには、私たち人類の一人一人が関心を持ち、問題解決に動くことです。ゴミ拾いや資源の無駄使いの減少といった小さなことからでも陸域生態系を守ることに繋がります。また、テレビやインターネット等で絶滅危惧種について調べてみてください。どれほどのスピードで種が絶滅していっているのかを知ることで、環境への意識を高めることが出来ます。まずは、身近に感じることが大切です。
まとめ
以上、陸域生態系の保護及び生物多様性の損失阻止について詳しく解説しました。この取り組みは、国連サミットで採択されたSDGsという世界的な目標によって積極的に行われており、地球上の生物を絶滅速度の緩和と生物多様性の損失を阻止するための対策が練られています。生き物を大切にすることが、陸の豊かさを守ることに繋がり、やがて地球を守ることになります。また、これが一瞬のことでなく、次の世代へと持続していくことが目的になっており、長期的な計画を立て、活動を行っていくことで生物多様性の損失を阻止することになるでしょう。個人の意識の高さがこの取り組みの効果を高めることでしょう。
