世界の森林面積は陸地の約30%を占め、日本国内で見ると約70%が森林でおおわれています。では、森林があることでどのような影響を及ぼすのかをご存知でしょうか。多くの人が知っていることの1つがCO₂の削減に役立つということでしょう。それだけではなく、森林はいろいろな面で影響を与えています。今回は、森林の役割について紹介していきます。

森が持っている8つの機能
森は、水をキレイにして土砂などの災害を抑え、人に癒しを与えるなど、我々が暮らすこの地球上で欠かすことのできない存在です。
森の持つ力は大きく分けて8つになります。それぞれ見ていきましょう。

【生物多様性保全機能】
日本の森林面積は、国土面積の約7割。その中には、約80種類の鳥類と約3400種類の植物が生息しています。これらは土地の環境に応じた、複雑かつ多様な生態系を形成しています。森林を守ることは、遺伝子や生物種、生態系等の生物多様性の保全に繋がります。
【地球環境保全機能】
森は、産業活動や家庭生活によって排出される二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を抑える働きをしてくれます。人々がどれだけ二酸化炭素を削減する生活をしてもゼロにすることはできず、森林の力を必要とします。植林や間伐を適切に行い、森の状態を良くし、二酸化炭素の吸収効果を最大限に高めることが大切です。
【土壌保全・土砂災害防止機能】
森は、地中に張り巡らせた樹木の根によって土壌を斜面に繋ぎとめる能力を持っています。また、土壌の表面を覆う落ち葉や枝、かん木、下草等によって降雨などによる土壌の流出を抑え、土砂崩れ等の土砂災害を未然に防ぐ働きをします。
【水源かん養機能】
森の土壌は、有機物や様々な生物によってスポンジのような構造をしています。そのため、裸地と比べ、雨水を地中に浸透させる能力が3倍程度あり、雨水を十分土壌の中に蓄えて、ゆっくりと河川に流すことが出来ます。この働きにより、洪水や渇水を緩和したり、水質を浄化するといった期待ができます。
【快適環境形成機能】
森には、蒸発散作用という機能があります。夏の気温を低下させて都市部のヒートアイランド現象を抑えるなど、地球の気温の変化を緩和する働きを持っています。また。ちりやほこりを吸収したり汚染物質の吸収機能、樹林帯の防音効果といった生活環境を快適にすることに貢献してくれます。
【保健・レクリエーション機能】
人は、精神的・肉体的ストレスを蓄積してしまいます。これに対して、森林は、癒しや安らぎを与えてくれ、樹木が発散する揮発性物資が健康増進に効果を発揮することなどが分かっています。そのため、森林浴やハイキングなどを行うことで、気分をリフレッシュし、健康維持にも高い効果を期待することが出来ます。
【文化・教育機能】
森林の景観は、日本人の自然観や伝統文化において重要な要素となっています。また、子供の頃に自然と触れ合う経験をすることで、学ぶことの意欲向上、道徳観や正義感の形成に繋がるため、教育の場としての働きも期待されます。
【物質生産機能】
森林資源には、木材、キノコ、山菜、竹など生活に役立つ様々なものをもたらしてくれます。
森林を適切に管理することで、持続的に長く、生産を行う「循環型資源」として生活を支えてくれます。また、石油や化石燃料の代わりに木材を使用することで、環境への負担が少ないことも期待されています。

森林の役割まとめ
以上、森林の役割について紹介しました。森林は、人々の生活・地球環境の問題に密接にかかわっており、森林資源を守ることが人々の・地球の長い存続に繋がっていきます。森林の役割を正しく理解し、森林を守る活動に繋げていきましょう。一人一人の理解と協力で森林を長く存続させていくことが出来ます。

森林の役割とは?森林があることの効果を紹介
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