持続可能な木質バイオマス発電について解説
木から電気を生成することが出来る木質バイオマス発電。木質バイオマス発電は、森林資源の長期的持続における林業の活性化に繋がる取り組みです。今回はバイオマス発電について詳しく解説していきます。


バイオマス発電とは
バイオマス発電とは、動植物などから生まれた生物資源の総称のことです。生物資源を直接燃焼・ガス化などをして発電を行います。バイオマス発電技術は日々発展しており、様々な生物資源が活用されています。木材資源もその一つです。
【バイオマス発電の特徴】
バイオマス発電の特徴は、以下になります。
・地球温暖化対策:光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は、京都議定書における取り扱い上、CO2を排出しないものとされています。
・循環型社会の構築:未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用・減少に繋がり、循環型社会構築に大きく寄与します。
・農山漁村の活性化:家畜排泄物・稲ワラ・林地残材などの国内農山漁村に存在するバイオマス資源を活用することにより、農山漁村の自然循環環境機能を維持・増進し、持続的発展を図ることが可能になります。
・地域環境の改善:家畜排泄物や生ごみなど、これまでは捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献します。

【バイオマス発電の課題と分類】
バイオマス発電の問題点として挙げられるのが、バイオマス資源が広範囲に分散しているため、特定の場所に集めたり、運んだり、管理するのにコストがかかってしまうことです。バイオマス資源は、乾燥系に分類される木質系・農業、畜産、水産系・建築廃材系の3つ、湿潤系に分類される食品産業系・農業、畜産、水産系・生活系の3つ、その他に製紙工場系などに分類されます。

木質バイオマス発電とは
バイオマス発電の中でも木質系に分類される木質バイオマス発電とは、循環型林業の実現のための取り組みである森林管理において、間伐や下刈等によって発生した間伐材などを利用した発電方法です。本来、間伐材や枝などは、不要な為に廃棄されますが、これをバイオマス資源として活用することで、無駄のない森林経営を行っていくことが可能になります。
木質バイオマス発電のメリットは、地球温暖化の問題である二酸化炭素排出量を減少させることにあります。木質バイオマス発電を行う時、木を燃やす際に二酸化炭素が発生します。しかし、発生した二酸化炭素は、木が成長する時に大気中から吸収したものなので、大気中の二酸化炭素量は変化しないというカーボンニュートラルという考え方が当てはまり、木を燃料にすることは二酸化炭素の排出を抑えて地球温暖化に貢献するとされています。

木質バイオマス発電の特徴
木質バイオマス発電の特徴を他の再生可能エネルギー発電と比べた場合で見ていきましょう。
【安定的な電源】
太陽光発電や風力発電は、自然の状況により発電量が変わりますが、木質バイオマス発電は燃料がある限り連続した発電を可能とする質の高い電力と言えます。
【燃料の必要性】
太陽光や風力発電等は、設備を作れば「自然」によって発電がおこなわれます。
しかし、木質バイオマス発電では、 人為的な燃料の調達と投入が必要になります。
【経済的波及効果】
森林の未利用材を燃料に使用することで、山村地域に経済効果をもたらすことになります。
また、その効果を発揮するためにFIT制度では、森林由来の間伐材等の未利用材による発電電力の買取価格も高くなっています。

木質バイオマス発電についてまとめ
以上、木質バイオマス発電について紹介しました。環境を考慮した様々な取り組みの中でも、バイオマス発電は、エネルギー分野において特に注目されています。その中でも森林資源の有効的な活用は非常に大切なものになります。持続的な森林管理と共に豊かな自然を利用したバイオマス発電について検討してみてください。

持続可能な木質バイオマス発電について解説
株式会社スマート・フォレストお問い合わせ