地球温暖化等の環境問題の深刻化、企業の社会的責任(CSR)への注目の高まりから、多くの企業が森づくりに関心を持つようになりました。それに伴い、森づくりに関する様々なサポート制度、取り組みも開設され、企業が森づくりに取り組む流れがより加速しています。
実際に多くの企業で森づくりは行われています。

企業が森づくりに取り組む目的は
企業の森づくりは、社会の多彩なニーズと企業の持つ様々な資源とを関連付けることが出来、想定外の多角的・発展的なCSR活動に発展する可能性を秘めています。例えば、工場や店舗がある地域で環境保全活動や社会貢献としての活動に社員の参加を促進することで、社員の環境教育・ボランティア活動支援・福利厚生に繋げることが出来ます。他にも森林のもつヒーリング効果を社員の健康づくりや教育に充てる活動もあり、企業の森づくりは多角的に展開することが出来、CSRの市場・環境・人間・社会と全てに渡る取り組みとして位置づけることが出来ます。

実際の活動のタイプ
企業が取り組む森づくりは5つのタイプに分かれます。事例付きで紹介していきます。

【タイプ1:実践的な森づくり活動】
国有林・公有林・私有林を借り受けたり、自社所有林等で実践的に森津杭を行う取り組みです。
大手通信事業者であるNTTドコモでは、全国に49ヵ所の「ドコモの森」を開設し、各森で、持続的な森林経営を目指し、社員を中心に活動を行っています。植林から、下刈、間伐を行い、少しずつ森づくりを進めています。


【タイプ2:森づくりの普及啓発・地域交流】
都市でシンポジウムを開催し、森の多面的機能や森林管理の重要性等を幅広く普及啓発したり、都市住民に向けての森づくり体験や地域交流を通して、参加の環を広げる取り組みです。住友林業では、日本の森づくりと家づくりの関連性、環境問題への取り組みなどをインターネットで配信し、普及啓発を行っています。

【タイプ3:森づくりのための人づくり】
次世代を担う子供たちに向けて、森林環境教育、森林ボランティア・リーダーの育成、社員研修等の一環に位置付ける等、人づくりを通して森づくりの活性化を図る取り組みです。トヨタ自動車では、「自然と共生する工場」として地域本来の生態系保全への貢献を目的に「びおとーぷ堤」を開設しました。ここでは、里山的な広葉樹林をコンセプトに、水辺・草地・樹林などの環境を作り、地域生態系に配慮した生き物の導入、希少種保全に力を入れています。さらに子供たちを招待し、自然環境の大切さや教育等を積極的に取り組んでいます。

【タイプ4:資金支援・協力】
森づくり活動を行う地域やNPO等に対して、企業が自らあるいは従業員や顧客と協働で、活動に必要な経費や資機材等を寄付・提供して、側面的に森づくりを支援する取り組みです。三井住友銀行では、脚本家である倉本聰氏が取り組んでいる「SMBC環境プログラムC・C・C富良野自然塾」をサポートしています。この事業は、閉鎖されたゴルフ場を再生・復元し、元の森に還すための植林事業「自然返還事業」とフィールドに設けられた施設を有効に活用する事業の「環境教育事業」の2本柱に活動支援行っています。

【タイプ5:本業一体のCSR活動】
森づくりへの支援を組み込んで商品プロモーションを行ったり、オフィスで間伐材紙や国産材家具を使用する等、企業の事業活動の中で側面的に森づくりを支援する取組です。ミニストップでは、廃棄物排出量の削減、食品廃棄物・使用済み油のリサイクル、レジ袋や割りばしお渡し量の削減・店内照明のLED化等の本業と一体となるCSR活動を積極的に行っています。

企業が取り組む森づくり
このように企業が森づくりに取り組む方法には様々な種類が存在します。
世界で定められた持続的な達成目標であるSDGsを主軸に、地球環境を考えることは、企業の社会的責任としてとても重要なことになります。
積極的に森づくりに取り組むことは、単純に企業の信頼にも繋がるため、各企業に合った取り組み方で森づくりを行っていきましょう。

企業が取り組む森づくりの紹介
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