地球の大切な資源である森林を長く守っていくために、持続可能な社会の実現を目指す取り組みが行われています。日本の企業でも商品開発や働き方改革等の目的のために森林資源を活用していく方法を模索しています。
今回は企業による森林資源活用の新たな取り組みである「社有林」について紹介していきます。
社有林とは
社有林とは、企業が保有する森林のことを指します。持続可能な社会の実現のための目標であるSDGsや木材やバイオマス資源等の森林資源の活用、森林のリラクゼーション効果を社員研修に活用するといった目的に森林を管理する企業がたくさん存在します。
地球の資源を守っていくことはもちろん、森林経営から得られる恩恵は多くあるため、企業は積極的に森林経営を行ないます。
社有林を所有している企業紹介
実際に森林を少輔している企業を紹介します。
【王子製紙】
王子グループでは、「木を使うものは木を植える義務がある。」という理念のもとに国内・海外合わせて58万ヘクタールの森林を保有し、活用しています。森林資源の活用から環境への取り組みを積極的に行っています。
【住友林業】
住友林業グループは、木のプロフェッショナルとして、森林経営から木材等の森林資源の活用、人々の生活をよりよくする取り組みを行っています。また、森林資源を使った再生可能エネルギー分野での発電事業などにも取り組んでいます。
【東京電力】
森林資源エネルギーの友好的活用や自然保護活動などに積極的に取り組んでいます。
東京電力が所有する管理区域のほとんどが尾瀬国立公園に指定されていて、森林法、自然公園法、文化財保護法、河川法等に準拠した森林管理が行われます。
【三井物産】
三井物産は日本全国に合計約4万ヘクタール以上の社有林「三井物産の森」を保有しています。適切な森林管理方針を定めて、森林を守り・育み、環境や社会、経済に活用していっています。
【日本製紙】
日本製紙は、民間第2位の森林所有者です。国内に約400ヵ所、総面積は約9万ヘクタールを保有しており、森林経営・資源の活用をしています。森と紙の関係からも長く大切に使用していくために様々な取り組みを行っています。
社有林の活用事例
社有林を活用して企業はどのような活動をしているのか、事例を紹介します。
【TDKラムダ】
電子機器メーカーであるTDCラムダでは、社有林を使った新人社員研修を行っています。
研修内容は、ビジネスマナーの講習や森林整備、森林セラピー体験といった野外活動をすることで、入社後3年以内の社員離職率が12%から1%に減少しました。
【株式会社ゼファー】
株式会社ゼファーでは、環境に配慮した住宅作りをモットーにマンション建設等の内装材に多くの木材を使用しています。
また、台風によって荒れてしまった森林をよみがえらせる活動も行っています。
【新日本石油株式会社】
新日本石油グループでは、エネルギーの未来を創造するという目標をかかげ、森林保全活動を行っています。2004年度からは、緑の募金を通してNPOと協働で森林管理に取り組んでいます。
社有林を保有してみませんか
以上、森林を保有している企業やその取り組みについて紹介しました。
多くの企業が環境への取り組みに積極的に参入していくことで、地球の貴重な資源を守り、効率的に活用していくことで人々の暮らしを豊かにしていけるでしょう。森林経営は、森林資源の活用や環境への配慮だけでなく、従業員のヒーリング効果にもなるため企業経営の一環に検討してみてください。森林を保有することで得られる恩恵はとても多く、企業成長の一要因になることも分かっています。社有林を検討している企業様は、ぜひこの機会に森林管理を行いましょう。