2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な社会に向けて世界中のすべての国が取り組むべき目標」であるSDGs(持続可能な開発目標)。今回は、令和3年現在までに世界中でどのような取り組みが行われているのかをまとめていきます。これからSDGsの取り組みを検討している方は参考にしてみてください。

SDGs各国の達成状況
※表記の見方 順位:国名(2021年のスコア)(2020年の順位 / 2020年のスコア)

1位:フィンランド(85.90)(2020年:3位 / 83.77)
2位:スウェーデン(85.61)(2020年:1位 / 84.72)
3位:デンマーク(84.86)(2020年:2位 / 84.56)
4位:ドイツ(82.48)(2020年:5位 / 80.77)
5位:ベルギー(82.19)(2020年:11位 / 79.96)
6位:オーストリア(82.08)(2020年:7位 / 80.70)
7位:ノルウェー(81.98)(2020年:6位 / 80.76)
8位:フランス(81.67)(2020年:4位 / 81.13)
9位:スロベニア(81.60)(2020年:12位 / 79.80)
10位:エストニア(81.58)(2020年:10位 / 80.06)

(画像引用元:https://naruhodosdgs.jp/sdgsreport2021/
11位:オランダ(81.56)(2020年:9位 / 80.37)
12位:チェコ共和国(81.39)(2020年:8位 / 80.58)
13位:アイルランド(80.96)(2020年:14位 / 79.38)
14位:クロアチア(80.38)(2020年:19位 / 78.40)
15位:ポーランド(80.22)(2020年:23位 / 78.10)
16位:スイス(80.10)(2020年:15位 / 79.35)
17位:イギリス(79.97)(2020年:13位 / 79.79)
18位:日本(79.85)(2020年:17位 / 79.17)
19位:スロバキア共和国(79.57)(2020年:27位 / 77.51)
20位:スペイン(79.46)(2020年:22位 / 78.11)

世界の取り組み
それでは、ランキング上位国が実際に行っている取り組み事例について紹介していきます。

【フィンランドの取り組み】
ランキング3位のフィンランドでは、ヘルシンキの観光情報を紹介するウェブサイトに、「サステイナビリティ」に焦点を当てた情報を発信するページが設けられています。このページを訪れた市民や観光客は、どの施設がサステイナビリティの基準を満たしているのか知り、ヘルシンキでのサステイナブルな1日の過ごし方について情報を得たりすることができます。行政が中心となって積極的に持続可能性に関する情報発信を続けることで、人々にとってもSDGsの考え方が身近なものとなってきています。
【スウェーデンの取り組み】
ランキング2位のスウェーデンでは、企業のSDGsに対する取り組み意識が高まっています。例えば、ラグンセルスという会社。企業や家庭などから出た廃棄物を処理する会社であり、断熱材のリサイクルに力を入れています。気候の厳しいスウェーデンでは断熱材は必需品ですが、リサイクルすることで繰り返し利用することができ、埋め立て処理される量を減らしています。これは、SDGsの目標12「つかう責任 つくる責任」に沿った行動です。また、ラグンセルスは断熱材のリサイクル事業をデンマークの企業と共同で行っています。目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の精神に基づいた活動で、国境を超えた企業のパートナーシップとしても参考になります。
このようにスウェーデンでは、企業におけるSDGsへの取り組みがかなり活発です。ラグンセルスのほかにもスウェーデン発祥の企業で世界的に有名な家具量販店のイケア。SDGsの実現に力を入れていることで知られています。たとえば、製品の60%以上に再生可能な素材が利用されているほか、エネルギー利用効率の高い家電製品を展開するなど、環境を意識した製品づくりをすることで循環型の社会を目指しています。また、食材は認定を受けたものを使用したり、女性や移民など多様性に富んだ職場環境を実現させたりと、自然環境、労働環境、ジェンダーなどの様々な側面からSDGsを推進しています。
【デンマーク】
ランキング1位のデンマークでは、「UN17 Village」という取り組みが特徴的です。
これは、SDGsの17の目標をすべて達成できるようなビレッジを建設するプロジェクトです。一般に都市部では多くの二酸化炭素が排出されているという現状がありますが、快適な暮らしは守りつつも「サステイナビリティ」の考え方と両立させることを目指し、このプロジェクトが立ち上がりました。ビレッジは、2023年に完成する予定で、広さ35,000平方メートルほどの中に、リサイクルされた建材などを使用した5棟の建物が建てられ、800人以上が居住できる街になります。ビレッジ内で利用されるエネルギーは、100%再生可能エネルギー。屋上にはソーラーパネルが設置され、自家発電が可能となるのです。雨水を貯水するシステムが導入され150万リットルもの雨水が利用できるほか、多様な生物の住みかとなるよう、屋上庭園もつくられる予定となっています。
これは、自然環境という側面のみから持続可能性を目指しているわけではありません。居住地は多様な世代の人々が近隣と関係を築きながら暮らせるようにデザインされ、住人が精神的に健康な暮らしを営むことができるという点も考慮されています。社会的な持続性が生まれるのです。単に再利用した材料やエネルギーのみを使った街づくりではなく、新しい持続可能なライフスタイルを目指すことが目的です。
SDGs世界の取り組みまとめ
今回は、SDGs上位の取り組み事例を紹介しました。上位国の取り組みを見ると、どの国も国全体が意識し、企業が積極的に参加していくことで国民全体に意識が浸透していくような流れになっています。日本でも企業が積極的にSDGsに対する取り組みを行っていくことで、細部にまで意識が浸透していくでしょう。

SDGS世界の取り組み事例まとめ
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